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TOSSランドNo: 7665385 更新:2013年07月07日

東日本大震災からの教訓 教師が平常心を保ち、おだやかな声で話しかけ続ける


繰り返し襲う大きな揺れに、悲鳴を上げる子どもたち。
パニックになれば、安全に避難させることが難しくなる。
絶対にパニックにさせてはならぬ。

(1)マグニチュード9.0が学校を襲う

「さようなら!」帰りのあいさつをして約30秒後。
14時46分。
突然の揺れに、悲鳴が上がる。
教室は2階。
4年生の子どもたちが10人ほど残っている。
子どもたちは、その場に固まっている。

指示1:

先生の机の下に入りなさい。
頭だけ入れて。

子どもたちは、教卓の下にすばやくもぐりこんだ。

ワックスがけをしようとして、子どもたちの机や椅子は廊下に出していたため、
他に隠れるところがなかったのだ。
10人が、体まで入るスペースはない。
全員、頭だけでも教卓の下に入るようにさせた。

(2)テレビや窓から、子どもを遠ざける

教卓のすぐわきの棚の上には、テレビがある。
固定してあるので大丈夫だと思った。

しかし、揺れ方があまりにひどい。
今までに経験したことがないほど、桁違いに激しく揺れている。
阪神淡路大震災、ニュージーランドの大地震のニュースで見た、
倒壊した建物の影像が頭をよぎる。

テレビに目をやると、ガタガタとゆれ動いていて、今にも落ちそうだ。
このまま子どもたちを、教卓の下にいさせては危険と判断した。
〈のちに知ったことだが、別の教室では、テレビが落下し、割れて壊れた〉

蛍光灯の下を避け、何もない教室の真ん中に立ち、指示した。

指示2:

机から、出て!
テレビが落ちてくるかもしれません。 
教室の真ん中に集まりなさい。

窓から子どもを遠ざけるため、
少し廊下側よりに子どもたちを呼び寄せた。
子どもたちをしゃがませると腕の下に抱いた。

(3)逃げ道を確保する

小さい頃から、「地震がきたら、戸や窓を開ける」と教わってきた。
窓を開けようと思ったが、
窓は、ガガガガと異常な音を立てていて今にもはずれそうなため、近づけない。

教室の戸は開けておかなければ。
子どもたちを、教卓の下にもぐらせた後、すぐに、前後の戸を開けておいた。
背後で「バーン」「バターン」と音がする。
振り返って見ると、開けたはずの教室の戸が閉まっている。
大きな揺れで、ひとりでに戸が動いて閉まっていたのだ。

(4)絶対に子どもたちをパニックにさせない

子どもたちは、「きゃー」「うわー」と声を出している。
揺れがおさまったら、すぐに避難しなければならないのに、パニック寸前だ。
この状態で移動すれば、慌てて転んだり、押し合いになったり、将棋倒しになったりしかねない。
また、キーキー声を出したままでは、放送や、教師の指示を聞くことができず危険だ。

揺れはおさまるどころか、ひどくなる一方だ。
終わったと思っても、またすぐに襲ってくる。
天井がミシミシと音を立てている。
―――――この子らと一緒に、がれきに埋まる・・・絶対に皆で生きて助かりたい―――――
今にも学校が崩れるのではないかと、怖くて怖くてたまらない。

深呼吸をし、
子どもたちを、落ち着かせることに徹底した。
 
10人の子どもの中でも、特にパニックになりかけている子を教師のすぐそばにおいた。
体をこわばらせ、叫んでいる。
名前を呼び、大丈夫だよと言って、頭をなでた。

そして、平常心を心がけ、できるだけゆっくり落ちついた声で話す。

説明1:

ちょっと長いねえ。でも、たまにこういうことあるんだよ。止まるから大丈夫。
 
二階だから、本当より大きく揺れるんだね。

揺れがひどく、廊下のものが、ガラガラガシャンガシャンと大きな音を立てて
落ちまくっている。
そのたびに、子どもたちは叫び声を上げる。

説明2:

アルミのバケツだから、ガシャーンて大きな音がしたんだよ。われたりしてないから、大丈夫。

揺れが続く間、名前を呼びながら話しかけ続けた。
腕の下にいる子どもの震えが伝わってくる。
もう騒ぐ子はいない。
声を出すこともできないほどおびえていたのかもしれない。

(5)身支度をさせる

揺れている間は、立って歩くことはできなかった。
おさまったら、すぐ逃げられるように、揺れている間に1人1人に身支度をさせた。
さらに、天井がミシミシと音を立てていたので、頭にものをのせるように指示した。

指示3:

ジャンバー着て、ぼうしかぶって。何でもいいから、頭にのせます。

子どもたちの散らばったジャンバー、運動着袋、ランドセルをかき集め、頭にのせる。
ゆれが襲ってくるたび、体を動かしてとばしてしまうので何度も拾い集めた。

(6)どんな時でも、平常心と危機意識をもつ

揺れがおさまり、校庭へ避難をすることになった。

廊下に出ると、足の踏み場がない。
椅子があちこちに落ちている。
ペットボトル、ゴムボール(各30個ほど)の入れ物がひっくり返り、
中身が通路に散らばっていた。
大震災がくるとは、予想もせず、不安定にものを重ねてしまっていた。
危機意識が足りなかった。

日頃から
① 必要のない荷物を教室に置かない
② 荷物は、箱に入れてふたをしたり、袋に入れたりして、落ちても散らばらないようにする。

また、ワックスがけなどで、廊下に荷物を出さなければならない場合、
以下の事に気を付ける。

① 通路は広く確保する。
②  机に椅子を上げて廊下に出す場合、
椅子の向きなどを工夫し、揺れても落ちないように並べる。
③  こまごまとした荷物は、廊下に置く代わりに、資料室などに一時保管する。

幸運なことに、子どもたちは、けがもなく無事避難することができた。
子どもの命を預かる教師。どんなときでも平常心と危機意識を忘れてはならないと学んだ。


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