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TOSSランドNo: 1907065 更新:2013年07月03日

音楽専科として担当する小学校5・6年生「授業開き」


【授業開き】小学校5・6年生の音楽授業(2005年4月上旬)

1.目標

①1年間を貫く、学習規律・学習技能について、丁寧に、省略せずに教える。
②学級担任との信頼関係を築けるように事前に、授業運営に関して、連絡事項をきちんとしておく。
③1年間の授業が楽しみになるように、笑顔で授業し、説明はできるだけ少なく、活動できる楽しいパーツを入れていく。

2.事前の学級担任との連絡

1.事前に、毎回、「教科書・リコーダー・筆記用具・配ったプリントを綴じるファイル」をもってくるように担任に連絡。
2.持ってくる持ち物には、予め名前を書いておくようにお願いしておく。
3.特別支援を要する児童が在籍している場合(それも確認する)、万が一、音楽室を抜け出してしまったら、音楽専科は、全体の児童の管理をきちんと行い、すぐに担任に内線で連絡し、学級担任が個別対応をしてもらえるように、予めお願いをしておく。(特別支援を要する児童が音楽室を飛び出してしまう事例が少なくなるように、授業で反応を見ながら方針を立て、改善し続けていく。)

3.実際の授業

(1)教室に迎えに行く

トイレ・手洗い(楽器や口を触る関係で)を済まさせて、列に並ばせて、学級担任から子供たちを引き継ぎ、先導して連れていく。
「廊下歩行の決まりです。周りのクラスに気づかれないように足音を立てずに音楽室へ向かえるようにします。」(廊下歩行の指導をしておく。)
「音楽室に着いたら、椅子に座ります。」(終わりの行動を示しておく。)

(2)音楽室に着いたら

事前に並べた椅子に1人ずつ座らせる。

指示1:

「次の時間から、チャイム鳴るまでに、このように座って待ちます。」
「次から、教室に入ってくる時、『先生、こんにちは!』って元気にごあいさつして入って来てください。」

(3)あさのあいさつ

歌わせながら、変声期の男子をチェックする。その子には教師(私が男声なので)と同じ高さで歌わせる。
変声期の男子を見つけた場合、全体の前では次のように言っておく。
「高い声が出ないだけで音痴なのではない。男子は大人になる喜ばしいことなのです。」

①「こんにちは!」 子:元気よく「こんにちは!」
②「この世のものとは思えないほど汚い声で」 子:汚い声で「こんにちは!!!」
③合唱ではこの声は使いませんよね。
④気持ち悪いかも知れないけど、高い声で「こーんにーちは~(ラーレーレー)」(ファルセットで範唱)
⑤とっても綺麗だ!それを遠くの人にも聴かせてやりたい。響かせ方を伝授します。
⑥耳のすぐ下の所に指を当てて、へこむね。へこませながら「こーんにーちは~」
⑦すごい、さすが一発でできるところが5年生だね~!
⑧最初なので「あいさつに関する曲を覚えてもらいます」
⑧歌詞板書→読ませる

【板書】
朝のあいさつは
元気に どうぞ
おーはーよー

⑨1行ずついきます。「あーさーのあいさつはー」はい、×2
⑩「げんきーにどーぞー」はい、×2
⑪「おーはーよー」はい、×2
⑫通して一緒に
⑬すごい、もう歌えるね。今度は先生なしで1回聴かせて(無理なら一緒に)。
⑭おし。じゃ、消してくね。さあ、覚えたでしょうか?→黒板消しで少しずつ消す。
⑮完全に消す。もう完全に覚えちゃったね。
⑯2人組み・背中合わせ(口の確認・響きの確認・友達の音が聞こえる?)

指示2:

2部輪唱します。
(全体を半分に切って)ここから、ここまでAグループです。
(残りの半分を指して)ここから、ここまでBグループです.
Aグループから先、さんはい!

2部輪唱ができたら、止める箇所をしっかりと伸ばすと偶発的に美しいハーモニーになる。
そこを子供たちにも意識させて、聞かせて、達成感を与える。
授業開きで、綺麗にハモれたという成功体験をさせたい。
余裕があるなら、3部輪唱・4部輪唱もさせたいが、あまり無理はさせない。

(4)音楽の授業の約束(事前に担任連絡したことの確認)

①教科書・筆記用具・リコーダー・配ったプリントは毎回もってきます。
 名前は書いてありますか。
 忘れた時は、先生に言いにきなさい。予備を貸してあげます。

②先生に言われるまで音楽室の楽器には触らない。
 後ろに張り紙がありますね。音楽室の使用については、今年も今まで通りこのお約束を守って下さい。絶対に無いとは思っていますが、万一、壊してしまった場合はすぐに言いに来て下さい。正直に言いに来てくれればいろいろと助けてあげられることがあるんだけど、昔、黙っていて後で分かって高い弁償代を払わないといけないことがありました。だから正直に言いにきてね。

(5)自己紹介

指示3:

先生の5m以内に集まります。集まったらその場に座ります。

名前を呼んで指示する。
クラス全員の顔(「かしこそうな顔をしている!」)・気になる子の服装・正直さなどを褒める。

指示4:

全学年の中でも今日この5年生のみんなと音楽の授業ができることを一番楽しみにしていました。
最初の授業なので、自己紹介がてら、先生の特技を少しだけ見せます。

1.ベルカント唱 (「Versin tutto amor」の一節)
2.ファルセット唱 (「もののけ姫」)
3.謡 (能・狂言的な発声で「鴉」)・合唱では地声は使わない声になっている
4.頭声的発声(さわやか発声)(「思い出がいっぱい」の一節又は「エイブル」の一節)
5.ヴォイスパーカッション(8ビート・16ビート)

説明1:

 こんな声もこんな声もでます。人間って凄いんだ。いろんなことができる。これができるようにするために、先生もたくさん練習をしました。
 みんなも、いろんなことができる可能性をもっています。はっきり言って、きみたちは、非常に高い能力をもっています。それを少しずつ証明していきたいと思っています。だから、少しの間違いや失敗ぐらいで、「自分は駄目だ」なんて思う必要はまったくない。是非、音楽の授業では間違いを恐れずみんなの「できる・わかる」という可能性を一緒に伸ばして欲しいです。そのために音楽の時間で是非守って欲しいことがあります。

(5)音楽の授業の約束

①友だちの歌うのを笑ったりからかったりしない。
②やるべきときには一生懸命にやる。

説明2:

①友だちの歌うのを笑ったりからかったりしないで欲しい。
 みんな1人1人の声は、世界で1つしかないんだ。声だけで誰か分かってしまう機械もあるほどです。つまり、声はその人の人格・命そのものです。もし、A君が海外に行ってしまったら、A君の声は、二度と聴けなくなってしまう。これは日本の損失だ。だからね、人の声を変だとか、おかしいとかいって笑う権利は誰にもない。声を笑うということはその人の命を笑うということなんだ。
 だから、先生はこのことを絶対に許しません。もししたら、これ以上ないぐらい厳しく叱ります。

②やるべきときには一生懸命にやって欲しい。
 人間は常に、今よりもよくなろうとして努力するものなのです。
 お友だちまで嫌な気分にさせるようなふてくされた態度は許しません。
 その時も、とても厳しくなります。なぜなら、ほっとくことは簡単ですが、その子が駄目になってしまうからです。でもね、そのほかの時はとっても優しいです。

(5)発声体操

説明3:

歌では、体を柔らかくしておくといい声が出ます。

①背中合わせ
②きゅうりの塩もみ(根本正雄氏実践追試)
③ろうそく消し
④ほたるこい発声練習
 フラフープを1つ置いて、そこに1人入れて、「ほっ、ほっ」と歌わせる。
 同じ高さで、全員で「♪ほーたるこーい」と歌わせる。

(6)新曲指導「夢の世界を」

超かっこいいんだ。聴いて驚くなよ~。(1.2.3などと練習番号の入った楽譜配布)
中学生用の混声合唱用のCDを聴かせる。(憧れを持たせるように配慮する)

①歌わないで楽譜を右手で指を指させ、追いかけさせる。
②小さな声でCDと一緒に歌う
③歌える人はCDと一緒に普通に歌う
④全員CDと一緒に歌う
⑤教師の伴奏で歌う
⑥後半、1パートずつ音取り
⑦サビで伴奏をとってしまう。(自分たちの声を意識させる)

(7)無の世界(興奮の鎮静化)

①「今から先生が弾く曲が終わるまでに、人といない所に移動しなさい。」
※但し、けがをする心配のある木琴の下などには、いかないように予め指導する。また、音楽室の外へはいかないように指導する。
 そうしないと、やんちゃは、自由に出ていっていいと解釈して、音楽室を飛び出してしまうことがある。
②教師、癒し系の曲を弾く。
③「今から1分間、何もしゃべってはいけません。外の音が聞こえるくらいシーンとします。よーい、スタート。」
 シーンとする時間を意図的に作る。特に、特別支援を要する児童や多動傾向にある児童は、授業の楽しい活動の中での興奮を抑える時間を作ることが必要である。少しでも声を出したり、音を立てたら終わり。自分の椅子の場所に戻す。

(8)おしまい

①曲に合わせて来たときのように男女各1列に並びます。(「キラキラ星」(整列の合図にする)を弾いている間に整列させる→ドレミファソ)
②来たときのように、足音を立てずに並んで教室まで帰ります。
 ○○君と、△△さん、一番前にならんでみんなを教室までつれていきます。(実際には、音楽専科が連れていく。)
③今日は、みんな素晴らしい態度でした。1年間みんなとなら、楽しく授業ができそうです!!
④「おわりのあいさつ」(興奮を抑える意味で、Ⅰ→Ⅴ7→Ⅰのピアノの和音に合わせて)
⑤出口で1人1人とハイタッチ。「またね。」

(9)学級担任への引き渡し

①音楽室から勝手に帰してしまうと、クラスづくりをしている最中の4月の頃は、怪我人が出たり、クラスの状態によっていじめが生じたりするので、教室まで連れていく。
②クラスまで連れて行って、授業中の子供たちの行動について短く、担任に報告する。子供たちががんばっていた場面を具体的に報告して、学級担任からも、子供たちを褒めてもらう。(学級担任は、クラスの子供が褒められると嬉しいものなので、できるだけ毎回続けた。)
③必要に応じて、トラブルや気になった点も連絡をするが、あくまでも、授業中に起こったことは授業者の責任であり、学級担任の責任ではない。そのことについて、授業でどのように指導したのかを伝達するようにする。
④深刻に相談しなければならない事態が生じた際は、放課後に話すようにする。

【参考文献】

1.山本弘氏「ふしづくりの音楽教育」
http://www.chiba-fjb.ac.jp/yamamoto/
2.向山型で音楽授業 ~コマとパーツでこうつくる~(飯田清美氏著・明治図書)
3.続 向山型で音楽授業(飯田清美氏著・明治図書)
4.音楽の授業・騒乱状態の克服法50のアイデア(吉川廣二著・明治図書)
5.中学音楽教師が授業を変える(西邑裕子著・明治図書)
6.教育音楽 小学校版(音楽之友社)


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