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TOSSランドNo: 2637377 更新:2013年01月24日

面積図を分数×分数、分数÷分数の文章題で用いる


(1) 「分数×分数」「分数÷分数」の文章題の立式の難しさ

A.

3分の1デシリットルでかべを8分の5㎡ぬれるペンキがあります。
このペンキ1デシリットルでは、かべを何㎡ぬることができますか。    『大阪書籍 6年下P19 □1より抜粋』

B. 
1デシリットルでかべを5分の4㎡ぬれるペンキがあります。
このペンキ3分の1デシリットルでは、かべを何㎡ぬれますか。      『大阪書籍 6年下P7 □1より抜粋』

 私は上記の問題を見たとき、立式に困った。わり算なのか、かけ算なのか分からなかった。しばらく考えて、ようやく分かった。私がT2をしている6年生のクラスは、分数×分数、分数÷分数の立式で「÷」「×」の符号を間違える子、A÷B=CのAとBを反対に書く子が多かった。文章題の立式につまづいていた。
 そこで、面積図を書かせてみた。そのことで、立式ができるようになる。

(2) 面積図とは

 面積図とは、文章で聞かれている内容を長方形の面積に置きかえた図のことである。また、一あたり量×いくつ分=全体の量の関係を、長方形で表わしたものでもある。長方形の縦が「一あたり量」、横が「いくつ分」、面積が「全体の量」を表す。

(3) なぜ面積図を使うのか

久保田實氏は次のように述べる。

① 視覚化により、より具体的にイメージがつかめる。
② 共通の作図パターンにより、処理が一般化できる。処理の一般的な考え方は次の2つです。
(②-1)並べる面積図(色々な事が次々と起こるような問題のとき)
(②-2)重ねる面積図(ある一つのものを色々に説明しているような問題のとき)
③ 比の利用がしやすくなる。
  面積が等しくなる部分を見つけられると、縦と横の比が逆比であるということを使いめんどうな計算をせずに
必要な数値を見つけだすことが出来ます。

3つの理由のうち①が今回の提案に関係している。文章題は、具体的にイメージがしにくく、場合によっては勘で立式をしている子もいるだろう。しかし、文章題を面積図に変換して考えることで、視覚化できる。視覚化できたら立式も可能になる

(4) 面積図で攻略できる問題

割合の問題、速さの問題、平均算、食塩水などの濃度の問題、仕事算の問題、つるかめ算、差集め算、過不足算、個数を取りちがえた問題など、多くの問題を面積図で攻略することができる。

久保田實氏は、面積図について次のように述べている。

得た知識が、他の分野の問題にも適用できることに気づくと思います。(中略 西村)
食塩水の問題と差集め算とあるいは平均の問題や割合のつるかめ算など、様々な問題が、実は底の方ではつながっていたんだと気づくと思います。そして、一般的な算数の解法があると気づきます。 『受験算数講座 久保田塾 インターネットhttp://www.ne.jp/asahi/kubota/juku/mensekizu.htm』

面積図は、様々な分野に応用することができる。面積図を応用することで、様々な問題が解けるようになる。
そのような大変便利で有効な解法である面積図を学校教育では教えているのであろうか。

(5) 面積図の指導の現状

 有効な解法の一つが面積図である。その面積図は、学校教育の中でどのように指導されているのだろうか。教科書の中に一あたり量×いくつ分=全体の量の考え方を元にした面積図が指導されている単元は一つだけである。長方形、正方形の図形の面積を求める「面積」の単元のみである。他はない。向山氏は次のように述べている。

「イラスト図の解き方」「線分図の解き方」「面積図の解き方」を授業することだ。この中で「面積図」の解き方が極めて少ない。                              『教室ツーウェイ』2008年2月号(明治図書)P.11

 面積図の指導を学校教育の中で行っていくことが重要である。

(6) 学力テストB問題の攻略法

 TOSS算数スキルには、学力テストを攻略するために必要な8つの力が書かれている。その一つに面積図を使って問題を解く力がある。面積図を使いこなすことは、B問題を解く上でも非常に重要なことである。面積図は、B問題の攻略法の一つともいえる。B問題に対応できる力をつけるためにも、面積図を指導する必要がある。

(7) 小学校算数の難教材「分数×分数」「分数÷分数」を面積図で攻略する

今まで「分数÷分数」は①線分図②面積図(区切りが入った図)③たすきがけが主な指導法である。これらに加えて、面積図(一あたり量×いくつ分=全体の量)を用いた指導を提案したい。分数÷分数で子どもたちがつまづく可能性のあるのは、以下の3点だと考える。①文章題からの立式②逆数のかけ算③約分である。このうち、②と③は「分数×分数」でくり返し扱っている。つまづく子ではなく、間違い(うっかりミス)の子が多いと思われる。だとすれば、一番つまづく可能性が高いのは、文章題からの立式である。分数÷分数の計算で、一番のポイントは正しく立式させることである。ここで面積図を教える。面積図は、文章で書かれた内容を面積に置きかえたものである。イメージがわきにくい文章を視覚化する役割をもつ。面積図を書くことによって、この文章題はわり算なのか、かけ算なのか一目で分かるようになる。面積図を書くことで、正しい立式ができると考える。

1

左の図は、冒頭Aの問題の面積図である。□が分からない。
□を求めるためには、わり算を使う。
面積図を書くことで、立式はわり算ということが一目で分かるようになる。

2

右の図は、冒頭Bの問題の面積図である。
□が分からない。□を求めるためには、かけ算をする。縦×横である。
面積図を書くことで、立式はかけ算ということが一目で分かるようになる。
正しく立式することができる。

(8) 授業の流れ

【助走問題①】

指示1:

縦3㎝、横4㎝の長方形の面積、分かったら座りなさい。全員起立。

【助走問題②】

指示2:

面積35c㎡、縦5㎝、横□㎝の横の長さ、分かる人?「式35÷5=7 答え7㎝」

【助走問題③】

指示3:

次、読みます。さんはい。「1冊100円のノートを3冊買いました。いくらになりますか。」
これをこのような図にしました。縦1冊100円、横3冊、面積□円。
□を求める式と答えをノートに書きなさい。「式100×3=300 答え 300円」

説明1:

このように問題文を長方形の面積にして考えることを面積図と言います。
面積図、はい。「面積図」

【助走問題④】

指示4:

次、さんはい。「480円で、1冊120円のノートを買いました。何冊買えますか。
縦は、1冊120円。必ず一あたり量が来ます。

発問1:

横には、何がきますか。「□冊」面積は?「480円」

指示5:

□を求める式と答えを書きなさい。

【助走問題⑤】

指示6:

次、さんはい。

「1デシリットルで壁を5分の4㎡ぬれるペンキがあります。このペンキ3分の1デシリットルでは、壁を何㎡ぬれますか。」

発問2:

縦には何が来ますか。「1デシリットルで5分の2㎡」

発問3:

横には何が来ますか。「2デシリットル」面積は?「□」□を求める式と答えを書きなさい。

【教科書問題】

指示7:

そこで今日のお勉強。教科書19ページを出しなさい。
□1、先生読みます。面積図で解きましょう。できたら、先生の所へもってらっしゃい。

早くできた子1名に板書させる。その後、読ませる。「式 8分の5÷3分の1=8分の15 答え 8分の15㎡」

説明2:

面積図にすると、難しい問題でも一目で立式できます。

(9) 引用・参考文献、実践、HP

1.『教室ツーウェイ』2008年2月号(明治図書)
2.『TOSS算数スキル⑯全国学力テストB問題スキル』(東京教育技術研究所)
3.『テーマ別特訓ノート面積図 てんびん図』(学研)
4.『箱根合宿 河田孝文氏の「面積図」の実践』
5.『向山型算数教え方教室』6.『受験算数講座 久保田塾』インターネットHPより


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