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TOSSランドNo: 5335901 更新:2013年01月24日

リレーのバトンパス指導  小野隆行氏の追試


(1)教材研究

▼新学習指導要領のバトンパス関連の記述
 新学習指導要領から、バトンパスに関係する文章を引用する。

【中学年】C 走・跳の運動
(1) 技能(1) 次の運動を楽しく行い, その動きができるようにする。
アかけっこ・リレーでは, 調子よく走ること。
距離を決めて調子よく走ったり, 走りながらバトンパスをする周回リレーをしたりする。
[ 例示]○ 周回リレー
・テークオーバーゾーン内で, 走りながらバトンパスをすること。・コーナーの内側に体を軽く傾けて走ること。

【高学年】C 陸上運動
(1) 技能(1) 次の運動の楽しさや喜びに触れ, その技能を身に付けることができるようにする。
ア短距離走・リレーでは, 一定の距離を全力で走ること。
走る距離やバトンパスなどのルールを定めて競走したり,自己( チーム)の記録の伸びや目標とする記録の到達を目指したりしながら, 一定の距離を全力で走ることができるようにする。
[ 例示]○ いろいろな距離でのリレー( 一人が走る距離5 0 ~ 1 0 0 m 程度)
・テークオーバーゾーン内で, 減速の少ないバトンパスをすること。

▼ バトンパスの最終目標
 学習指導要領の記述より、

 テークオーバーゾーン内でできるだけ減速しないで、次走者に引き継ぎをする

ことである。中村裕司氏は、バトンパスの技能として、次の3つを挙げている。

① ものを持って走る。 ② ものを手渡す。 ③ものを受け取る。

 この技能の観点で子どもたちに見られるつまづきを分類する。

▼ バトンパスのつまづき

・手首が返らない。③
・肩まで腕が上がらない。③
・いつも同じ場所でスタートが切れない。③
・力強いスタートが切れない。③
・バトンをいつ渡したらよいか分からない。②
・バトンを落としてしまう。②③
・受け渡しの距離が一定でない。(距離が合わない)②③
・次走者と体がぶつかってしまう。②
・バトンの根元の方を持ち変えてしまう。①
・どこでリードをはじめたらよいか分からない。③
・バトンを左手に持ち替ええずに渡してしまう。②
・後ろを見てバトンをもらう。③
・バトンの先が渡せない。②

▼入門期のつまづき

  学習指導要領で、体育授業の中でバトンパスの項目が出てくるのは3年が最初である。
 それまでは、正規のバトンではなく手タッチや、お手玉、リングバトンで練習していると考えられる。
 その際、見られる渡し手側のつまづきとして【後ろを見てバトンを受け取る】ことがあげられる。
 後ろを見てバトンを受け取ると大幅な減速につながる。減速せずにという目標を達成することができない。
 入門期のつまづきの一つである。

▼ つまづきに対する指導法

 では、このような入門期のつまづきを克服し、減速のないバトンパスをするために、どのような技能を指導すればいいのだろうか。小野隆行氏は、次のような技能を指導している。(TOSSデー講座より分析:西村)

① 「左手」で渡す(渡し手)
② 「右手」でもらう(もらい手)
③ 全力で走る(渡し手・もらい手)
④ 前を向いて走る(もらい手)
⑤ タイミングよくもらう(もらい手)

 また、その指導法として【型】を教えて、【個別評定】で習得させている。 本時は、小野隆行氏の講座を追試する。 

(2) 本時の授業

右の基本をいかに身につけさせるか。小野隆行氏のバトンパス指導を導入で行う。以下、小野氏の実践である。
子どもたちを、近くに集め、座らせる。

指示1:

左手を出して。先生と同じようにします。左手で渡す。(言いながら、左手でバトンを渡す動作)

C「左手で渡す」(動作もつける) 
この後、何度も繰り返させ、動作の意味を理解させる。

指示2:

次、渡すときには、ずーっと伸びたほうがいいんだよね。大きい動作。はい、3回。

一時に一事で指示をする。

指示3:

次、こっちが難しい。右手でもらいます。(①右手を真上に上げる)
②水泳で水をかくようにずーっと後ろにします。
(腕は伸ばしたまま)右手でもらう。はい。(動作をつけて指示)

C「右手でもらう」(①→②の動作)
右手も左手と同じように繰り返し練習する。
次は、左手と右手を組み合わせる。

指示4:

はい、左手で渡して、右手でもらう。(両方の動作をつける)

C「左手で渡して、右手でもらう。」(動作)
 この後、男の子だけ→女の子だけというように変化のある繰り返しで何度も練習させる。そして、確認である。

指示5:

男の子起立。女の子よーく見ててね。

 次は、女の子というように変化させる。 
繰り返しの練習により、バトンパスの基本中の基本を習得させる。
このあと、教師が個別評定をする。四人ほどを一列に並ばせ、例示する。

指示6:

「左手で渡して、右手でもらう」ストップ。(右手をまっすぐ伸ばし後ろにしている状態)
後ろから先生がバトンを渡します。握れたら合格です。

 合格したら二人組みで練習する。
最初は、バトンではなく手でやる。
二人組になり、「その場で」左手で渡して、右手でもらう。
できたら、次は一人が後ろから「歩きながら」手でタッチする。同じように例示した後、

指示7:

これをできるだけ早いスピードでやりなさい。

という。徐々に「スピードを上げ」させる。本番のバトンパスに近づけていく。
この練習中に、教師は二個コーンをセットする。
渡し手ともらい手のスタート位置である。コーンは、次の個別評定で使う。 
練習している子どもたちを集合させ

指示8:

合格したら、バトンがもらえます。
どっちがどっちの役をしてもかまいません。
とにかく早いほうがいいんです。自信のない人からどうぞ。

と言う。教師は、もらい手のコーンの位置に座り、評定する。
評定の基準は、①全力で走っているか。②前を向いて走っているか。③タイミングよくもらっているかである。
個別指導はしない。どんどん来させる。ひっきりなしに来させる。
最初は一点がほとんどである。二点三点が数人である。最初は、厳しく評定する。
厳しくやると子どもたちは熱中する。たくさんたくさん練習させるのである。
指導→確認→評定→指導のシステムの中で、子どもたちは基本を習得していく。

(3)参考文献・実践

向山洋一全集9 体育の授業を知的に 向山洋一著 明治図書/
向山洋一全集26 子どもの運動量を確保する向山流体育授業 向山洋一著 明治図書/
子どもが熱中する体育の授業 伴一孝著 明治図書/
向山型体育の「個別評定」と「授業システム」 TOSS向山型体育実践研究会著 明治図書/
バトンパス新ドリル 後藤一則著 明治図書/
短距離走の習熟過程 法則化フラミンゴウズ著 明治図書/
我流を排せ これが知的体育だ TOSS万葉著 明治図書/
TOSS体育D表検定ここがポイント TOSS鹿児島Roots編著 明治図書/
2008年体育TOSSデー岡山会場 小野隆行氏講座/
法則化楽しい体育の指導技術4年生 根本正雄著/
体育科指導大事典 向山洋一・TOSS選考委員会編 明治図書/


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