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TOSSランドNo: 3563286 更新:2013年01月24日

鉄棒で前回り下りができない児童への指導


3年生を担任して,初めての鉄棒授業。
前回り下りができない児童が2名もいたことに,驚いた。
前回り下りのできない3年生の児童は,次のようなタイプだった。

A児 身長130cm 体重29kg 細身 運動が苦手
B児 身長140cm 体重45kg 肥満児 運動はとても苦手

最初は2人とも,前回下りはおろか,鉄棒にのったりう,ぶら下がったりすることすらできない状態だった。
他の児童が「ツバメ」や「ダンゴムシ」をしている間中,2人とも鉄棒をもったまま,鉄棒ができる児童をうらやましそうに眺めるだけだった。
なんとしてでも,前回り下りができるようにしたいと思った。
指導は次のステップで行った。

■ステップ1 鉄棒にぶら下がらせる
■ステップ2 下にマットをひいた鉄棒にのらせる
■ステップ3 体を少し(約10度)ずつ前に傾けさせる
■ステップ4 足を持ってまわしてやることで,回転感覚をつかませる
■ステップ5 2つの指示を加え,自力で回らせるして下さい

■ステップ1 鉄棒にぶら下がらせる
A児B児とも,鉄棒にジャンプしてのることができない。
そこで,まずは,両手を伸ばしたまま,鉄棒にぶら下がらせることにした。

足は前に投げ出すようにし,両手で体を鉄棒にぶら下がらせる。

これは2人ともすぐできた。

■ステップ2 下にマットをひいた鉄棒にのらせる
次に,2人を鉄棒にジャンプさせてのせようとした。
しかし,2人ともジャンプすることができない。
ジャンプをしても地面から数センチ足が上がるだけで,鉄棒のところまで届かない。

おなかの所で,鉄棒に体を預けるのがこわい

のだ。そこで,

鉄棒の下に,マットを引いた。

さらに,体重が重いB児は,鉄棒がおなかに食い込み,かなりの負荷がかかることになる。そこで,

鉄棒用のウレタンカバー

をつけた。
これで,2人ともジャンプして鉄棒にのることができるようになった。

■ステップ3 体を少し(約10度)ずつ前に傾けさせる
2人とも鉄棒にのるところまではできた。
しかし,そこから先が進まない。ここから先は,2人同時に指導するのは難しかったので,まずは体格の細いA児から指導することにした。
しかし,鉄棒にのったA児は頑として体を傾けようとしない。そこで,

体を少し(約10度)ずつ前に傾けさせる

ことにした。
10度にしたのは,最初に自分で体を傾けることができた角度が,約10度ぐらいだったからだ。
まずは,垂直の状態から10度前に傾けさせた。
5秒数えた後,地面に下ろさせた。

地面に下りた後,10度も体を倒すことができたことを,大げさにほめた。

「すごいね!今ここまで体を倒すことができたぞ!今度はここまでがんばってみよう!」

と言って,次に体を傾ける目安として,20度ぐらい手を傾けて見せた。
これを角度を10度ずつぐらい増やしながら,繰り返していった。
時にはほとんど倒れていない時もあったが,それでも励まし続けた。
なかなか体が倒れない時,一度だけであるが,背中をおして無理に倒させようとした。
すると,力を入れこわばったまま,更に体が動かなくなってしまった。
それ以降,無理に背中をおすのはやめた。
「無理しなくていいからね」と,

あくまで自分のペースで取り組ませる

ようにした。
時間にして約10分ほどで,90度ぐらいまで体を曲げることができるようになった。

■ステップ4 足を持ってまわしてやることで,回転感覚をつかませる
90度以上になると,体を戻すほうがしんどくなる。
そこで,

90度を越えたところで,足を持ってまわしてやる

ことにした。
もちろん事前に「先生が持って回してあげる。下にマットを引いているから大丈夫!落ちないように,鉄棒だけしっかり持っておこうね!」と,回す了解をとってからである。
それでも,決心がつくまでは,3分ほど時間が必要だった。
そして90度を過ぎたあたりで,左手で背中を,右手で足を持ちながら,体を回してやった。
こちらの補助があるにせよ,初めて鉄棒で前回り下りをすることができた瞬間である。

やったね!!遂にまわれたね!!すごい!!

と,大きな声でほめた。
周りで見ていた子どもたちからも拍手が起こった。
回転感覚をつかませるために,5回ほど補助回転を繰り返した。

■ステップ5 2つの指示を加え,自力で回らせる
自力での前回り下りまで,あと一歩のところまできた。
自力で回らせるために

回るときに,勢い良くおへそを見てごらん

と指示した。
しかし,体が布団干しの状態で止まってしまう。止まった時は,足を持って下ろしてやった。
2~3回繰り返すが,やはり布団干しの状態が続く。
そこで,ちょうどA児の前側(布団干しの状態から見て背中側)にC児がいたので,

かかとで前にいるCくんをキックしてごらん

と指示を追加した。
こうして2回目の挑戦をした時,A児の体はくるんと鉄棒の回りを回転し,地面に尻もちをついた。
足で着地はしていないものの,A児が自力で初めて前回りをした瞬間だった。
回りからは,大きな拍手と歓声がおくられた。
A児が前回り下りができるようになるまでにかかった時間は,あわせて20分ほどだった。

残るはB児だけとなった。
B児は肥満体型であるため,前回りは難しいかと思っていたが,A児よりもスムーズに体を倒すことができた。ウレタン棒の効果が大きかったようである。
ステップ4までは,A児と同じ手順で指導したが,その後は他の児童の指導をしている間に,自力で回ってしまった。
これで,クラス全員が前回り下りをすることができた。

■ 指導のポイント
指導を振り返ってみて,前回り下りができない児童への指導のポイントは,以下の3点であると考えた。

1.「恐怖心を取り除くこと」
2.「ステップを細かくすること」
3.「はげまし続けること」

※ジャンプして静止する!鉄棒をしっかり握らせる!
後日,逆上がりのできない児童を集めて鉄棒教室を開いていた時,A児が前回り下りをしにやってきた。
そこで,大変危険なことが起こった。
前回り下りができるようになったA児が,鉄棒にジャンプした瞬間,回転と同時に手を離してしまったため,首から地面に落ちてしまった。
下にマットを引いていたことと,鉄棒がひくかったこと,頭が十分入っていたことなどにより,奇跡的に怪我がなかったが,万が一を考えると,本当に危なかった。
「一旦ジャンプして静止すること」「鉄棒をしっかり握ること」を十二分に指導しておかねばならない。


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