クラスの仕組みは,様々にある。
もし,今回紹介する「アイデアあふれる係り活動(動的係り活動)」を実施したいのならば,以下のように組み立てるとよい。(ただし低学年では、若干の修正が必要である。)
①日直
②当番
③係り
①の日直は,朝の会・終わりの会の司会,学級日誌の記入などが主な仕事となる。
②の当番は,一人一当番で行う。例えば,黒板消し当番,電気当番など,日常生活に必要な仕事をクラスの人数分用意し,一人ひとりに分担する。
③の係り活動は,今回で紹介するものである。
係り活動の原則は,以下である。
クラスが楽しくなるもの
この原則にしたがい,子どものアイデアをもとに活動させるのである。
係り活動をつくらせる際,子どもには,以下のことを知らせる。(兵庫県の谷一樹氏の追試)
①係りは何人でつくってもよい。
②係りはいくつつくってもよい。
③係りはいつつくってもよい。
④係りはいつやめてもよい。
⑤ただし,いずれの場合も全員の前で宣言しなければならない。
このとき,いくつか例を示すとさらによい。なぜなら,子ども達には,「アイデアあふれる係り活動(動的係り活動)」のイメージがない場合があるからである。例えば「パーティー係り」,例えば「教室飾りつけ係り」など,興味をひく係りを例としてあげるとよい。必ず子どもは,「やりたい!」というはずである。
ちなみに,全員が係り活動をする必要はない。なぜなら一人一当番で,仕事はしているからである。もちろん,全員をどこかの係りに所属させても問題はない。
係り活動をやりたい,という子がいたら八つ切りの画用紙に,以下の4点を書かせる。
①係りの名前
②メンバー
③いつやるか
④どんな内容か
そして,全員の前で読み上げさせる。質問を一通り受けたら,係り活動開始となる。この「質問を受ける」ということも大切である。あやふやだったことが,はっきりするからである。
また,「係りの名前」であるが,つけさせる際に,子どもにアドバイスをするとよい。子どもは,飾りつけをする係りなら「飾りつけ係り」としがちである。
しかし,これではおもしろくない。
そこで,名前を工夫するようアドバイスをするのである。(ちなみに,以前クラスで活動していた飾りつけ係りの名前は「季節インテリア」であった。)
しかし,係り活動は,ほおっておけば間違いなく停滞する。どのクラスでも,同じである。
そこで,つねに係り活動が意識される環境を毎日の生活に組み込むことが大切である。
①係りからの報告の時間を朝の会・終わりの会などの中に位置づける
②モノを用意する
③ほめる
①は,朝の会・終わりの会の中に,「係りから」または「みんなから」とう時間をつくればよい。前述した係り活動を開始する宣言は,ここで行わせる。ここで,活動を披露する係りもあるだろう。(例えば「クイズ係り」など)常に,時間が用意されていることが大切なのである。
②は,例えば「クイズ係り」の活動のために小黒板を用意する,「飾り付け係り」のために画用紙・マジックなどを用意する,ということである。モノがあることで,活動が活発にもなれば,停滞もする。モノがある,ということはとても重要なことである。
③は,係り活動だけでなく,どんな教育活動においても大切なことである。直接ほめる,学級通信でほめる,など様々な場面でほめることで,子ども達の活動意欲は増していくのである。
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