3学期最後の理科イベントなどに、液体窒素の実験はいかがだろうか。
組み立ても様々な工夫ができる。
ポイントさえおさえれば、自由試行もさせることもできる。
安全確保が、最優先事項である。
ここに紹介した内容であっても、必ず予備実験をして、自身で安全を確認してから追試をしてほしい。
ガス屋さんから入手する。
インターネットタウンページなどから、「液体窒素」や「酸素」「ガス」などのキーワードで検索する。
http://itp.ne.jp/
そして、電話をかける。このときの打ち合わせのポイントは、
1 小(中)学校の授業で液体窒素を使うことを伝える。
2 購入する量は、5~10リットルくらい。
3 デュワー瓶を借りられるか。
の3点である。
おおよそ、5リットルで3クラス分くらいの授業ができる。
1リットルあたりが、500円から1000円くらい。業者によって価格の差がある。
配送料などもさまざま。
安全面で特に気をつけること
安全面で特に気をつけることが、
液体窒素で冷やされた物を触ると、低温火傷(凍傷)になるおそれがある。
液体窒素自体は、蒸発をするが、液体窒素に冷やされた物は、蒸発することはない。
そのために、長い時間(といっても、ごくわずかな時間だが・・)皮膚と接することとなり、凍傷になってしまうおそれがあるのだ。
これを、つねに頭にいれておいてほしい。
特に、冷たくなった金属などは要注意である。
ピンセットではなく割り箸を使う。
そこで、必要となるものが、
革の手袋
である。
ホームセンターなどで500円前後で購入できる。
布製の軍手は、液体窒素が直にかかると軍手自体が凍結するために、低温火傷の可能性が高くなるという。
冷たくなったものに触れるためだけなら軍手でも良いが、液体窒素がかからないように十分気をつける必要がある。
業者に事前にデュワー瓶の重さを聞いておく。
受け取った時に、デュワー瓶をかかえたまま体重計に乗る。
自分の体重+デュワー瓶の重さ+液体窒素の重さ
あとどのくらいの量を使えるのかがすぐにわかる。
理科室の整備では、規格統一が重要。
日清のカップヌードル容器が、たてながで扱いやすく便利。
万一のときに倒れないようにする。
デュワー瓶から注ぎやすいように、机の端にとめておく。
演示実験‐児童実験‐演示実験のサンドウィッチタイプがよいだろう。
初めの演示実験で、注意事項も伝えていく。
前半は、凍結をさせて楽しむ実験を、後半は状態変化の実験をいれていく。
革手袋について。 ◎:必要 ○:使った方がよい △:なくても大丈夫
実験1 【演示】 革手袋◎
透明プリンカップに注ぐ
液体窒素の姿を見せる。(透明な液体)
−196℃の液体窒素にとっては、このプリンカップはとても熱い。
ブクブクブクって、一気に沸騰する。
プリンカップは安定しないので、デュワー瓶から直接注がない。
一度、カップヌードルの容器に移してから、プリンカップへ注ぐ。
実験2 【演示】 革手袋◎
バラの花の凍結・粉砕
有名実験は早めに持ってくる。
やはり、インパクトが大きい。
実験3 【演示】 革手袋◎
ゴムボールの凍結・粉砕
バリンと割れる。
破片に注意。私は保護めがねを着用させる。
実験4 【演示・児童】 革手袋△
輪ゴムの天ぷら
天ぷらという命名は小森先生。天ぷらをあげる感じに似ているためだとか。
割り箸でもちあげたら、すぐに手で触っても大丈夫。
うまくやると、ぶちっと切れる。
実験5 【演示・児童】 革手袋△
バラの花びらや、バラの葉の天ぷら 粉砕
箸でとりだしたら、机の上にのせてバシッとたたく。細かく砕ける。
片付けのことを考えると、新聞紙の上でやらせた方が、手間がかからない。
10秒くらいで大丈夫と告げると、回転がはやくなる。
実験6 【演示・児童】 革手袋△
マシュマロの天ぷら ぱくっ。
箸ででとりだしたら、そのまま口にしても大丈夫。
みんなで使う箸なので、そのまま口には運ばず、手のひらに載せてからぱくっと食べた方がよい。
サクッ、ふわっ!?、不思議な食感を楽しめる。
実験7 【演示・児童】 革手袋△
傘袋の空気を冷やす
傘袋に空気をパンパンにいれて、カップヌードル容器につける。
袋がみるみるしぼんで、中に液体空気がたまる。
常温にもどした液体空気をよく見ると、しゅわしゅわ蒸発している。
そして、最後は袋がパンパンにもどる。
実験8 【演示】 革手袋○
二酸化炭素を冷やす】
「二酸化炭素をうんと冷やすと、何になりますか。」
ドライアイスになります。
液体窒素に試験管をたてて、そこにボンベから二酸化炭素を注ぐ。
底に、白いドライアイスがたまる。
実験9 【演示】 革手袋△
傘袋の酸素を冷やす
酸素を冷やすと、なぜか青い液体になる。
この色がとてもきれい。
子どもからはもちろん自然と、「理科は感動だ!」という声があがる。
実験10 【演示】 革手袋◎
アルコール氷をつくる アルコールに沈める
蒟蒻畑の空き容器が便利。
アルコール氷をつくって、アルコールにいれる。
沈む
実験11 【演示】 革手袋◎
氷をつくる 水に浮かべる
最後に、おなじみ氷。
この、氷が浮くってことはものすごいことなんだということを、変化のある繰り返しでもってくる。
このような、TOSSとしての組み立てを意識した液体窒素を使ったお楽しみ授業が、もっと出てくることを願う。
バラの花は、演出という意味では用意したい。
近所の花屋さんに相談すると、開ききった花を廉価で譲ってもらえる。
(こともある。あとは交渉。季節によるが、無料でいただけたこともある。)
実験の後のおきまりの文句が、
説明1:
薔薇がバラバラです。
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