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TOSSランドNo: 1211222 更新:2012年11月30日

キックをさせなければ泳げるようになる


 水泳においてキックをさせなければ30分後には2倍以上の距離を泳げるようになる。
 これは鈴木智光氏の主張である。「伊東家の食卓」でも放送された。30分の指導で11人中7名が泳げるようになった。
 私はまだ実践していないが,今年度ぜひ追試して成果を確認してみたいと考えている。

1. 技の内容・診断基準

 技の内容は,次の通りである。

ヘルパーを腰に装着する。下半身は力を抜いて,息継ぎと腕の動きにだけに集中する。そのことで息継ぎのリズムを覚え,長い距離を泳ぐことができるようになる 

というものである。
 ただし,全く泳げない人にはこの技は有効ではない。泳げる距離が短い人限定の技である。
 例えば,体内に酸素を摂取する力がない子にとっては,この技は有効とはいえない。
 それを判断するには,だるま浮きができるかどうかである。だるま浮き10秒ができ,連続だるま浮き30秒ができる子は,25m泳げるという。
 連続だるま浮きができない子には,ボビングを指導していく。

指示1:

 キックをしないで泳ぎます。ゆったりと泳ぎます。キックをしないと足から沈むのでヘルパーをつけます。 

指示2:

足はカチンカチンにしてはいけません。だらんとしておきます。そのとき足が勝手に動くのはいいです。 

指示はこれだけである。
 鈴木氏は特に指導していない。この2つの指示の後,子供たちは30分間の練習をするだけである。
 「伊東家の食卓」の撮影の際,「くれぐれも余計な指導をしないでほしい」とディレクターから言われていたという。
 「この番組を見た子が,一人で練習して泳げるようになることをねらっています。だから,教師がそばにいて指導・助言をしなければなら ないようなものでは困るのです。夏休みも後数日で終わり,そのときに一人でやってみることを想定しています。放映も8月26日です」と言われたという。
 教師がいなくてもできる。まさに授業のシステム化である。

3. 成果

 鈴木氏は,次のように述べている。

裏技を始める前,3年生8名,4年生3名が25mを泳げなかった。裏技の後,25mを泳げるようになった子は3年生5名,4年生2人であった。4人が25mを泳げなかった。4名の内,呼吸力のない子は4年生Aさん,3年生Bさんの2人であった。C君は呼吸力はあった。しかし,最後の泳力テストのときにバタ足を激しくしていた。私はこれを見て25mは無理だと思った。案の定15mで足がついてしまった。(番組の中で泣いていた子です)D君はだるま浮き10秒程度の呼吸力はあるものの,連続だるま浮き30回はできなかった。7,8回であった。泳げる子は撮影対象ではなかった。じつは撮影対象でなかった子の中に,ウラ技が驚異的にきいた子がいた。4年生N君,平泳ぎで50mを泳げるものの,クロールとなると5mしか泳げなかった。このN君,最後の泳力テストで「先生,なんかスイスイ泳げるよ」と言って100mを泳いだのである。実は彼が5mしか泳げなかったことを知ったのは後日であった。25mは無理でも20m近くは泳げていたのだろうと思っていた。(授業では平泳ぎのみをしていたので,クロールの泳力を把握していなかった。もし,知っていれば撮影対象になっていた。)平泳ぎが50mを泳げるのに,クロールが5mしか泳げなかったのはなぜか。呼吸力や浮き沈みのリズムは習得していた。ただ,クロールの際,無理なバタ足をしていたため,呼吸のリズムを壊していたのである。バタ足をしなかったことで呼吸のリズムを習得したのである。

4. 呼吸のリズムをつくるには

 なぜこのような方法で,泳力が飛躍的に向上するのかを考える。
 なぜ泳げないのかということを考えると,呼吸のリズムのとり方が分からないからだということができる。
 キックをすることが呼吸のリズムを壊しているのである。
 椅子に座った状態で呼吸をする。これは誰でもできる。しかし,足をバタバタさせた場合にはどうなるか。たちまち呼吸は乱れるだろう。
 水中でも同じことが言える。足をバタバタすることで,呼吸のリズムが乱れていくのである。
 ヘルパーをつけ,キックを無理に打たせないで泳がせる。呼吸と手だけで泳ぐ。足はだらんとしておく。下半身の緊張が,呼吸と手のかきのリズムを壊すのである。
 練習ができたら,ヘルパーは外す。下半身の脱力を習得すれば,ヘルパーがなくても沈むことはない。
 このようにした上で,呼吸のリズムを壊さないように徐々にキックをレベルアップしていくのである。 

指示3:

ほんの少しだけキックを強くしなさい。 

という指示を入れるのである。

<参考文献>
『法則化体育通信』№135
鈴木智光著『体育指導のコツ③水泳指導のコツ』(明治図書)
『根本体育直伝HP』
http://www.chiba-fjb.ac.jp/masao_n/sodan/itouke.html


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