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TOSSランドNo: 3618166 更新:2012年12月31日

〜日本人の気概を授業する〜「与謝野晶子と佐久間艇長」


スクリーンに与謝野晶子の短歌を提示する。

水底の水の明かりにしたためし永き別れのますら男の文
                与謝野晶子

 何人かを指名し、読ませる。

発問1:

出てくる人は男ですか、女ですか、分かる言葉を○で囲みなさい。

「ますら男」から「男」であることが分かる。

発問2:

その男の人はどこにいるのですか

発表させる。
「川か海の底にいる」・・・『水底」から。
「あの世」・・・『永き別れ』から。
 ここでは確定せずに次へ進む。

指示1:

男の人は何をしていますか、分かる言葉を指差しなさい

発問3:

その通りです。では、何をしているのですか

「文を書いている」・・・『したためし』、『文』から意見が出る。
「水の明かりで文を書いている、のですね」と補足する。

では、どんな文を書いているのか示します
「永き別れの文」と提示する。

発問4:

その手紙を別の言葉で言うと何と言いますか

『遺書』という意見が出る。

発問5:

与謝野晶子は、この男の人のことをどう思っていますか。それが分かる言葉に線を引きなさい。

『ますら男』に線が引かれる。
「尊敬している」・・・ますら男、つまり、りっぱな男。

佐久間艇長について説明する。

説明1:

1:この短歌に歌われたのは、佐久間艇長と言う明治の海軍軍人です。若くして奥さんを亡くし、娘さんを持つ第六号潜水艇の若き艇長でした

2:明治43年4月15日、日露戦争が終わって5年後、は山口県新湊沖で訓練中に空気の取り入れ口から浸水。佐久間勉艇長以下14名を乗せたまま沈没します。
二日後、引き上げられた第六潜水艇は港に戻ってきます。そこには事故を聞きけた乗組員の家族が集まってきます。潜航艇の中に入って中の様子を確認しなければいけません。その時、まず海軍当局がしたことは、集まった家族を遠ざけることでした

発問6:

どうして、まず家族を遠ざけたのですか

「死んだ様子を家族に見せたくなかったから」という意見が出る。

説明2:

「この事故の前にも海外で潜水艇が事故を起こしたことがあります。引き上げてみると艦内は地獄絵。少しでも空気の残っている場所をめぐって争ったり、自分だけは助かろうとハッチの前に殺到していたのです。そのような姿を家族に見せたくないと海軍当局は考えたのです。

発問7:

ところが、中に入ってみると驚くべきことが起きていました。何だったのでしょうか

答えさせるが深く追求せず、すぐに語る。

説明3:

「14名全員が自分の持ち場を動くことなく、最後まで自分の職務を全うして亡くなっていたのです。」
「そして佐久間艇長は、わずかの明かりを頼りに、事故が起きてからの艦内の様子をきちんと書き残していたのです」

佐久間艇長の遺書を提示する。

佐久間艇長の遺書:
小官ノ不注意ニヨリ
陛下ノ艦ヲ沈メ
部下ヲ殺ス、
誠ニ申訳無シ
サレド艦員一同、
死ニ至ルマデ
皆ヨクソノ職ヲ守リ
沈着ニ事ヲ処セリ

説明4:

佐久間艇長は、まず天皇陛下に、事故で多くの部下を死なせたことを詫び、この事故によって潜水艇の研究が遅れることのないよう詳しく事故が起こってからの艦内の様子を書き残し、今後の研究に役立ててくれるよう願いました。

発問8:

もうひとつ、佐久間艇長の願いがありました。それは何だと思いますか

予想して答えさせる。
答えは「亡くなった部下の家族の生活の保障をすること」だったことを知らせる。

発問9:

最後に佐久間艇長は『私的な願い』を書いています。それは何だと思いますか

佐久間艇長の「遺書」の続きを示す。

遺書:
  追補
 
我レ死セバ遺骨ハ郷里ニ於テ
亡妻ノモノト同一ノ棺ニ入レ
混葬サスベシ

『追補』を教師が読む。

「亡くなった奥さんと同じ場所で眠りたいということです」と説明する。
佐久間艇長を歌った与謝野晶子の短歌を紹介して授業を終わる

与謝野晶子の短歌:
ひんがしの国のならひに死ぬことを
      誉むるは悲し誉めざれば悪し

 勇ましき佐久間大尉とその部下は
      海国の子にたがはずて死ぬ

 いたましき艇長の文ますら男の
     むくろ載せたる船あがりきぬ

 やごとなき大和だましひある人は
        夜の海底に書置を書く

 海に入り帰りこぬ人十四人
        いまも悲しき武夫の道

 「君、死にたまうことなかれ」の短歌で知られる与謝野晶子。
 その与謝野晶子の心を動かした出来事でした。

【参考資料】
■文部省『尋常小學修身書 巻六』(大正11年発行の教科書の複製版)
■「海上自衛隊第12期一般課程幹部候補生のホームページ」http://member.nifty.ne.jp/12kan/sakuma.htm
■「佐久間艇長の遺書」TBSブリタニカ


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