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TOSSランドNo: 1235146 更新:2012年11月29日

合唱曲「走れメロス」(平井多美子作詞野田暉行作曲)の指導法


 モチーフは、言わずとしれた太宰治の「走れメロス」です。強弱と速さに変化を付けて、ドラマティックに歌いましょう。

1. 1拍前に全員で息を吸う

吸う音が聞こえるくらい、たっぷりと。「あ」の口で、一気に息を飲み込む感じ。「ら」と「し」もはっきりしゃべる。「あらしーーー<を<ー<つい>て」と「つ」にヤマをもっていき、「て」は小さく柔らかく歌う。「はーしーれメロス」の「は」「し」も、子音を長めに丁寧に歌う。「ス」も、音符いっぱい、きちんと伸ばす。最初からすぐ合唱になるので、堂々と、厚みのあるハーモニーを聴かせよう。

2. 「夜明けの森を越えて山へ」「森を」で息継ぎをしてもよいが、この部分を大きなまとまりとして感じて歌う

「よ」「も」「を」「こ」などの「O」の母音を、口をあけて声を前に出す。「目指すは遙か」からだんだんと大きくしそうな雰囲気だが、実は「遙か」から小さく歌う。「めざすはっはるかっ」にならないように、語尾をていねいに。「遙か」のHを長くていねいに歌うと、距離感がでる。
ソプラノ、男声、アルトの「都・都・都」とずれて歌う部分がはっきりとわかるように。「城よ」がヤマになる。「城」で少しゆっくりにして、全員でブレスして「よー」と歌ってもよい。「ろ」「よ」もOの母音を口を開けて発音すること。「よー」は全員揃って7拍めまで伸ばす。

3.「行く手は遠い」は、より強く

力強くてもよい。ひとつひとつをしっかり発声する。「いそげ」「いそげ」各パートがmpからたたみかけるようにだんだん大きく重ねていって、「メロス」を盛り上げる。「ス」は全員揃って7拍めまで伸ばすこと。男声とアルトは「いそげっ」と乱暴にならないように、ていねいに語尾を歌う。この部分は、前述のように「たたみかける」という緊張感がほしいので、息継ぎは要注意。休符以外で吸うときは、カンニングブレスで、こっそり吸う方がよい。
私個人的には短く切って「いっそーげっ」と歌わないで、「いーそーげー」と続けて「そ」のSを長めに発音する方が好き。

4.曲の雰囲気が変わる。マルカートの指示。「あ・れ・み・よ」とひとつひとつをはっきりと歌う

アルトと男声は、「やけつく」までこの歌い方。「焼け付く日差し」も前述の「いそげ」よりもっと緊張感でもりあげる。だいたいの音で歌わないで、ひとつひとつの音をきちんと覚えてうたうこと。自信がないと、おおきくはっきり歌えない。
それに対して、ソプラノはメロディーを歌う。全く違う音楽が天井を通って客席に届くイメージで。

5.「濁流狂う」ff、大変強く

「濁流」のD、「狂う」「川」のKの子音をはっきり歌うと、厳しさが表現できる。「かわ」「わた」しっかり口を開けて、クリアな発音にする。「わたりーー」のアルトの部分は音が変わるのでとても大切。アルトが歌っている間、必ずソプラノと男声も伸ばしておく。(無意識に歌うと、おそらくソプラノと男声は短くなるから、アルトといっしょにブレスをするよう気をつける。)
「峠を目指し」「とーげをっめざーしっ」にならないようにていねいに。pから「峠を<目指し<いくよ<いくよ<メロス」とだんだん盛り上げる。くどいようだが「スー」は全員揃って7拍めまで伸ばすこと、「とうげをっめざしっいくよっいくよっ」にならないようにていねいに。

2番も同様。

6.「アー」でもう1段階盛り上げる

ソプラノも、男声もかなり音が高くなるので、息をたっぷり吸って、姿勢をよくして、ひざやふともも、おしりに力を入れて支えて声を出すこと。基本的な発声練習もこの部分を歌いこなすためには大切です。
「命の限り走れメロス」は力強くffで。「夕日も招く/塔の上に」は雰囲気を変えて、すこし優しくなめらかに。とくに、男声の「招く塔の上に」が「まーねくっ」「うーえにっ」にならないように。

7.「いつわり」はpp。calmato(カルマート/穏やかに、静かに)この曲の中で、もっとも密やかな緊張感のあるところ

「多い」でふくらませて、「世に」は「いよにー」くらいていねいに、「住む」のS、「人」のHも同様に、子音をていねいに。「人に」は「ひとー・にー・」と、少しすき間をあけてつぶやくように歌う。

8.「今こそ/今こそ」一転してはっきりと、2回目をより強調して歌う

でも、2回目の「こそ」ですーっと小さくする。すこしゆっくりにして、「今こそなに?」と思わせて「示せ」「示せ」に入る。「示せ」「示せ」4回も繰り返して歌う。それだけだんだんと盛り上がっていrくということ。男声とアルトは「しめせっ」と乱暴にならないように、ていねいに語尾を歌う。ここも、短く切って「しっめーせー」と歌わないで、「しー<めー<せー」と続けてSを長めに発音し、だんだん強くする方が好き。

9.そして、最後に「愛と誠」にもっていく

「愛と/誠」とふたつに分けて歌いたいが、「誠」の息が続かなければ、「まこ/とー」と息継ぎをするか、「まことー/おー」とカンニングブレスにするかは音楽の先生に相談してみよう。「とー」は9拍目の初めまで、余裕を持って伸ばせるくらい息を吸って歌う。口も「ま」「こ」「と」、どれも、しっかりあけて、声をぐーっと前に出して歌う。

短調の曲ですが、中に何か所か長調の和音が入っています。「目指すは遙か」「城よ」「泉の歌に」「とりなおし」「まねく」「上に」など、その部分のハーモニーをきちんとつくれるように音を正しく歌うこと。ハーモニーを感じて歌うこと。曲の中でその部分がキラッキラッと輝くことが、このメロスの物語のラストシーンを暗示しているともとれるのです。(だって、この歌詞には、あの感動的な結末がないのだから。)


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