TOSSランド

コンテンツ登録数
(2017/12/11 現在)

21453
TOSS子どもランド TOSSオリジナル教材 TOSS動画ランド TOSSメディア TOSS-SNS TOSS公式(オフィシャル)サイト
TOSS子どもランド
TOSSランドアーカイブ
TOSSランドNo: 2220080 更新:2012年11月29日

卒業式目前 学級を締めくくる演出 『感謝の手紙』で学級に幕を引く


中学校の卒業式は、小学校の比ではない。この日を最後に、生徒全員が集まることはまずない。それを生徒は知っている。だから、生徒は素直になる。《その素直な気持ちを大切に学級を閉じたい》と私は思う。
5日後に卒業する生徒に、次のように伝えた。

卒業式の練習は立派でしたね。みなさんの中学校生活3年間が充実した証拠です。今日の練習を本物の卒業式にしてもいいほどでした。先生も感動しました。
みなさんが、このように立派に育ったのはたくさんの先生との出会いがあったからです。その先生方全員がみなさんの卒業を喜んでくれるはずです。
小学校時代、最もお世話になった先生を1人頭に思い浮かべてください。
その先生に、卒業の報告をしましょう。これから便箋と封筒を配ります。感謝の気持ちを込めて、手紙を書いてください。私が責任を持ってそれぞれの先生に届けます。

「えー」という生徒の声を予想していた。しかし、生徒はいたって冷静だった。誰もが笑顔で聞いていた。
「転勤した先生でもいいですか?」という質問を受けた。 私は「大丈夫です。調べて速達で送ります。」と答えた。
教室には鉛筆が動く音だけが響いた。
いつもは「作文なんか大嫌い」という生徒でさえ、黙々と書いていた。書き終わった生徒には、封筒に宛名を書くよう指示した。
チャイムが鳴っても、「まだ書きたい」という生徒が10人以上いた。便箋5枚に思い出を綴った生徒もいた。
放課後、生徒の手紙を読んだ。
        「将来は絶対、馬場先生のような先生になります。」
        「教室で食べたアイスの味が今でも忘れられません。」
私が嫉妬してしまうような(?)内容ばかりであった。
翌日、ある先生から「感激で涙が止まらなくなりました。1文字1文字に心がこもっていました。生徒によろしくお伝えください」と電話がかかってきた。また、ある先生からは「私にとって、彼らが初めての卒業生です。中学校3年間で成長した姿を見たいという気持ちになりました。卒業式には必ず出席します。」というファクシミリが届いた。

卒業式の前日、最後の学級活動の時間となった。
卒業式の主役は生徒と親である。だからこそ、生徒と親が「いい卒業式だった!」と思える演出をしたい。それが学級担任としての最後の仕事である。
次のように語った。

お世話になった小学校の先生から、たくさんのお返事をいただきました。みなさんの卒業をこんなにも多くの人が喜んでくれるのです。みなさんは本当に幸せです。
そんなみなさんに、先生から1つお願いがあります。先生がみなさんにする最後のお願いです。みなさんの卒業をこの世の中で最も喜んでくれる人は誰ですか?

「親」という声。

そうです。みなさんのお父さん、お母さんです。
そんなお父さん、お母さんに、君たちがしなければならないことは何ですか?

「感謝すること」という。

その通りです。家に帰ってから、親に「今まで、どうもありがとうございました」と頭を下げてお礼を言える人は手をあげてください。

誰も手を上げなかった。

そうですよね。先生も恥ずかしくて、そんなことはできませんでした。でも、先生は「感謝の気持ちは伝えるべきだ」と思っています。口で伝えられないのなら、手紙で伝えましょう。明日、卒業式が始まる前、受付でみなさんがこれから書く手紙を渡します。感謝の気持ちを文章にしてください。

 前回同様、便箋と封筒を配った。「たっぷり40分あります。」と言ってスタートさせた。教室はシーンとなった。
 生徒の手紙を読んで、私は胸が熱くなった。
      「いつも感謝しています。今まで世話になった分、将来、絶対に親孝行するからね。ありがとう!」
      「いつも感謝しているけど、素直に《ありがとう》が言えません。でも、今日なら言えそうな気がします。」

卒業式の夜、『卒業を祝う会』が行われた。
      「娘から手紙をもらったのは初めて。感激しました。手紙は仏壇にあげて祖母にも読んでもらいました。」
      「手紙は反則です。卒業式が始まる前から涙が止まらなくなったじゃない!」

親との会話は手紙の話題ばかりであった。
生徒の素直な心が綴られた手紙は親の心にしっかりと届いたのである。


0回すごい!ボタンが押されました

コメント

※コメントを書き込むためには、ログインをお願いします。
New TOSSランド